「あの娘にキスと白百合を」4巻

なんか、今なら感想めいたことを書けるんじゃないかという気分で、書いてみたんですが、しかしこれはツイッターで連続投稿するのと何が違うんでしょう? 以下、「あの娘にキスと白百合を」4巻の内容に触れる部分があります。

「あの娘にキスと白百合を」4巻が、よかったです。読んだ直後と、そして後から思い返したときに、熱というか高揚感の生じる感じがあって、それが私には珍しかったです。

そう、とっても珍しいです。私が何かを面白いというときは、「なんとなく尊さを感じた」とか「なんとなく続きが読みたい」とかで、「(たぶん)面白い(という枠に入るんだと思う)」といったことばかりで、こうストレートに、ここまでの大きな熱を持って「面白い」と言えるものは、記憶にありません。
いや、記憶にないだけで、昔に遡れば何かあったかもしれませんが、少なくともここ数年ではなかったように思います。

こう、何がよかったんだろう。熱が発生したのは、第20話「夏のあとさき」のキスシーンのあたりなのですが。
序盤のほうで、瑞希さんが「い」と言いかけたところで、ああ、「いっしょに暮らそうと」言おうとしているのかな?という予測はなんとなくありました。しかしそれでなお、
「いっしょに暮らそう」→萌さんの泣きそうな赤面した顔→キスおねだり→キス(1回目)→キス(2回目)→キス(3回目)
の流れでとてもテンションがあがってしまいました。ページめくる度に「わお」となって高揚感の増していく感じです。

そこに至るまでの流れとか、そこまでの話しで描かれたいろんな背景とか、そういったものもあるのだと思いますが、でもとにかくこのシーンの演出、見せ方ががっつり私にはまったという感じがあります。あとは読んだときにあまり気構えず読めたのもよかったのかもしれません。私はどうにも、気構えて読むと発生する熱を感知のがすごく苦手になるように思います。

ああ、そしてその高揚感をぼんやり残したまま同話を、同巻を読み直すと、いろんなシーンが少し面白く見えてきます。不思議ですね。先の高揚感を感じたシーンと頭の中でリンクが張られていってるのでしょうか。よいですね。


話変わりますが、県体7位の人相手に、普段運動してないのに勝っちゃう黒沢さんはいったいどうなってるんだという感じがありますね。
黒沢さんは、変に人の心読んだり未来予測したりしないので、そういう点での天才キャラにありがちな感じの違和感はなくて、ふむとなりますが。